Poetry

※ 10代~20代の詩です。若い頃の心情がよく出ています。


もうこれが、生涯の別れだというときに
少女は母親に 小さな手鏡をもらいます

美しいものだけを 映すように
優しいものだけを 映すように
烈しいものだけを 映すように
みどり色の世界を 映すように

少女の瞳に 涙があふれておりました
美しい藍色だけが 映っておりました

美しいものが なにかを 知りません
優しいものが なにかを 知りません
烈しいものが なにかを 知りません
みどり色の世界は どこにあるのかしら

もうこれが 悲しみの果てだという日に
少女の手鏡は 藍色から愛色を映します

みどりの世界に生きている
美しい 優しい 烈しい“彼”の世界を

愛というものを知らされた
“彼”の世界を “彼”の世界を
“彼”の世界を “彼”の世界を



見知らぬ惑星は ある日 輝きはじめる
見知らぬ惑星は ある日 輝きを増した

あるとき 若者は 波の綾線をたどる
あるとき 若者は 旅立ちを決意する
あるとき 若者は 青春の傷みを知る
あるとき 若者は 海で魂を焼くのだ

いつか 少年は 愛情を知ったと誤解する
いつか 少年は 苦悩を知ったと誤解する
いつか 少年は 人生を知ったと誤解する
いつか 少年は 自分を知ったと誤解する

見知らぬ惑星の光をさえぎるものなんてない
光は少年で 少年は若者となり輝きを増す



好奇心を失くしたら 若さは終わりだ
挑戦を忘れたら もう若くない
熱い血のたぎりを感じなくなったら
自分を賭けることが出来なくなったら
今のぼくに想像もできないことばかり
これがあるから生きていかれる
これがあるから幸せだ
苦しいけれど幸せだ
もし君が何かを失くしたら
もう一度
探してみるべきだ
もう一度



お前は悪魔 可愛い顔した悪魔
おれはお前のとりこになった
ただの奴隷さ
お前は悪魔 お前は悪魔
だけどだけど 俺の心の片すみで
天使になっているお前
そんなお前が憎い たまらなく憎い

熱いくちづけ もう二度とかえってこない
お前と話すことも お前とお茶を飲むことも
今の俺にはできないのか
お前は悪魔 俺の心をかき乱し
去っていったお前 お前は悪魔



考えて
考えすぎるとダメになりそうな
そんな不安を
吹き飛ばして
僕はステージに立つ

悩んで
悩みすぎるとダメになりそうな
そんなもろさを
はねのけて
僕は歌っている

僕が僕であることを
忘れている時
僕には何の不安も悩みもないけれど

僕が僕であることを
意識してしまった時
またも不安と悩みは僕を襲う

僕の不安 僕の悩み

それはいつもはっきりとした
正体を現さず
ぼくにつきまとう

だからこそ
僕は情熱のすべてを
歌に
ステージにぶつけることができる

誰にでもあることさ
と笑っていられる



ひとつひとつのドラマが歌になり
ひとつひとつの歌がドラマになり
いま、真夏の出来事がなにごともなかったように
秋の海にすいこまれていく
時に涙する夜もあったろう
時に悪夢の中に眠ったこともあったろう
あなたにぼくの声は届いただろうか
あなたと築いた青春のページは色褪せない

あなたはもう一人じゃない
悲劇のヒロインになっちゃいけない
季節はめぐって秋になったけど
あなたはもう一人じゃない
海の広さにもう一度気づいてみよう
巨大な波はいつか 希望のうねりとなって
未来に続いていく



君のりりしさを
僕は美しいと思う
澄んだ瞳の
清々しさに君の心を見る

君が楽屋の隅で
じっと本を読んでいるとき

黙って
何かを考えているようなとき

あの
りりしさは
誰をも突き放す
厳しさを持っている

だから
君が好きだ

僕にとって
君は友だち、そしてライバル

だけど
やはり君が好きだ



やさしく
静かに雨の降る日

そんな日が
君に似合ってる

本当の君は
底抜けに明るくて
三枚目を演じてみせたり

いつだったか

僕が
「結婚して子供が出来たら パパは昔歌を歌っていたんだよ」と
そう子供に話して聞かせたいと
君に言ったことがある

あのとき君は
「同じころ野口五郎という歌の上手い歌手がいてね」と
僕の話をとっていってしまった

ふたりで大笑いしたっけ

そんな君を知っていながら

やはり
雨の日は
君のあの歌声が聞こえてくる

やさしく
静かな雨の降る日

季節で言えば
紫陽花の咲く頃…

それが君には似合っている



枯葉が街に舞う頃
ふっと寂しくなる

いつのまにか
季節が変って行く

そのことを
人よりずっと遅れて
知らなければならない
スタジオにあわただしく駆けこみ
夢中になって
仕事をする

終って
ふっと寂しくなる
なぜなのだろう

体の中で
枯葉が舞っている

まるでぼくの
情熱の
燃えかすのように

僕はそっと想像してみる
久しく歩かない街に
秋が来ていることを
きっと舗道には
枯葉が舞っているに違いないことを

そのようにして
季節の移り変りを
ぼくは知る
人よりずっと遅れて
季節が
ぼくの中を
通り過ぎていく



少年の頃
二十歳の自分を
想像した

何になっているか
見当もつかない

多分学生か

その想像はたいして
面白くはなかった

歌が好きだった
歌手になれたら

でも それだけだった

本当に歌手になって
毎日 好きな歌を
思う存分
歌っている

そんな自分が
ときどき
信じられなくなる

二十歳のこの体
どこを切りとっても
音がとびだしてくる

それ以外
何もない

そのことが果して
幸せか

ときどき 疑ってみる

だが 次の瞬間

ぼくの足から
ロックが生まれ
ぼくの指先から
ブルースが流れ
ぼくの体は
ジャズのリズムをとる

ぼくは音楽人間

それ以外
何もない

幸せでも
不幸でも
いい

一生音楽を背負っていく

一生歌い続けていく

そしていつか心の底から
人生を歌えるように
なったら
幸せだったと
二十歳の頃を
思い起こすに違いない



何の花が好きかと聞かれて
いつもと惑う
ぼくに花は
似合わない
ぼくの心に
花などありはしない
もしぼくの情熱が
花に似ているなら
それは真紅の薔薇
大輪の開ききった
見事な薔薇だ

でも 本当はこんな花が
好きなのだ
野辺に咲く みやこわすれ
ひっそりと立たずむ一輪の桔梗
露をふくんで濡れた りんどう

もし
ぼくの中の薔薇にも負けず
ひそかに
いつまでも
咲き続けている花なら

それはきっと
ぼくのお嫁さん



良く晴れた青空
エントツからまっすぐ伸びる白い煙
水平線から昇る太陽
好きだナ

こんがり焼けたトーストの匂い
むきたてのミカンの香り
口の中で音をたててとろけるチョコレート
好きだナ

どこか知らない処へ1人で旅立とうか
それともベッドの中でウツラウツラ
一人って好きだナ



この世で一番美しく響く言葉・・・母さん
悲しくても泣かず
嬉しいと泣く母さん

・・・今仕事終えて帰って来たところ
母さん身体はどう?無理してないだろうね。広島で会った時思ったより顔色が良かったし元気そうだから安心したけど・・・僕ね、こないだ知ってる人から聞いたんだけど、母さんみたいに血圧の低い人は急に血圧が上がると苦しくなるんだって。だからいつも気を付けてくれなきゃダメなんだ。母さんは僕の身体の事ばかり心配しているけど僕はいくら忙しくても大丈夫さ。最近は好き嫌いもなくなったし野菜も魚も食べられるようになったから。
母さん、母さんに広島でもらった真珠の首飾り、毎日離さずかけてるよ。
セピアのセーターにすごく良く似合うんだ。
ぼく、広島に向かう飛行機の中で母さんに会ったら何を話そうか、何を聞こうかって考えてたのに会っちゃったら考えてたことは何も何も言えなかったみたい。
広島のショーはどうだった?もっとゆっくり母さんと話したかった。
あの時客席に母さんを見つけた時、ぼく思ったよ。
「どうして、母さん、無理しなくても、ショーが終わったら飛んで会いに帰ったのに・・・どうして」って。
母さんが来てくれたのは嬉しかったけどからだが心配で・・・。でもね、あの時、母さんの姿が涙でかすんでいっちゃうんだ。
ぼくはもっと親孝行しなきゃ・・・。
それには母さんに心配かけずに、良い仕事をしていくことだ。今はこんなに素直な心になれるのに、母さんの前だとわざとさからっちゃう、まだ子供なんだね。
今度の曲「涙と友情」母さんも覚えてよ。いっしょに歌おう。
沈む夕日が空をそめても
恋にやぶれたぼくの涙は とまらないのさ
心を込めて歌うよ、母さん。
だからいつまでもいつまでも長生きしてよね。



涙ってやっかいだ

嬉しくっても

悲しくっても

どんどん沸いて来て

止め方を知らないぼくは

いっぱいに泣いてしまう

もうお終いかと涙のやつにたずねても

知らんふりして

ぼくをイジメる

おかげで僕と来たら

部屋の中で泳ぐしまつ

番外編



「ローラ」をレコーディングした時だった
あの時、僕は酷く悩んだ
あの歌に書かれているような激しい愛の情感を
僕はどうしても掴み取ることが出来なかった
傷ついた女の子を優しく包み込む、男の愛をどう表現したらいいかー。
経験のない僕には、そんな状態の男の気持ちになることが難しすぎた
この悩みは何日かして解決した
何度も何度も歌い込んでいくうちに
いつか僕はこの歌の中に自分を溶け込ませることが出来たから…
きっと、僕でもそうするだろう、こんな気持ちになるのだろうと思い込む
だから、現実に僕の前に恋人が現れなくても、僕は頭の中で
歌う心で愛の情感を掴むことを覚えてしまった



覚えていますか あの焼け野原に
緑の草木が 芽生えた嬉しさを

忘れていませんか 平和を求めて
命を落とした あの若者たちを

いくさはあれから 何を残した
ほほえみ奪い 涙さえ奪い

ビルが建ち並び 傷跡を隠す
あしたは来るだろう 多分あすは来る

翳りを知らない 世代が街行く
いつか遠くなる 遠くヒロシマが

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